Write to think

- ある題材について書くことは,それについて知る最良の手段である - (Gerald M. Weinberg)

仕事の基本動作_02

先日書き出した仕事の基本動作リストを基に、今週意識して取り組むものを絞り込んでみよう。
まずはリストを振り返ってみる。

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(2016年10月21日のブログより)

1) ミスをしないこと
・文章や資料などを作成したら、横着せずに全体感と細部の両方を確認すること
・メールや資料が整理整頓されていること(必要なものが明確で、不要なものは除かれていること)
・なすべきことが期限とともに明確であること
・記憶に頼らず、タイムリーにリマインドされるよう仕組み化されていること
・1ヶ月先を見据えたスケジュールができていること
・期限の前日には完成していること
・「だろう」ではなく「かもしれない」に立つこと
・検算をすること
・コミュニケーションをまたがないこと
・メールを不完了のままで残さないこと

2) 高い生産性を発揮すること
・集中してプランニングをすること
・関係者の考えや動きを洞察すること
・優先順位、劣後順位をつけ、取り組むことに集中すること
・知識や技術を真に修得していること
・関係者が的確に動いてくれるように効果的にコミュニケーションすること
・早くに全体を作り上げ、推敲を重ねること
・ボール回しを素早くすること
・たたき台完成までのスピードを高めること

3) 心身のコンディショニングができていること
・感情の整理ができていること
・ストレスをマネジメントできていること
・食生活が整っていること
・適度な運動習慣をもつこと
・身体のケアを習慣化していること
・定期検診を行っていること
・思考の整理ができていること

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構造として、基本動作を目的によって3つに分類した。
そのそれぞれについて、5か条に絞ってみよう。

1) ミスをしないための基本動作
・納期や約束の時間に余裕をもって準備を整えておくこと
・なすべきことが明確であること
・メールや資料が整理整頓されていること
・メールや資料は準音読で確認すること
・コミュニケーションをまたがないこと

2) 生産性を高めるための基本動作
・コミュニケーションする際に相手の状況を推量すること
・ボール回しを素早くすること
・全体を早く作り上げ、推敲を重ねること
・メールはOHIO (Only Hold It Once)
・作業プロセスと所要時間を事前に見積もること

3) 安定的に最大限の生産性を発揮できるための基本動作
・毎日ストレッチをして身体をほぐすこと
・毎週運動をして汗をかくこと
・バランスよく適量の食事をとること
・思考の整理によりストレスをマネジメントすること
・出社した瞬間からエンジンを全開にすること

以上、3分類×5か条を基本動作とする。これにより、安定的に高い生産性を発揮し、ミスも少ない仕事人を目指す。

 

 

推敲は音読から

仕事柄、広報物の文章を書くことが多い。しかし限られた時間の中で、紙幅に合わせて、正しく分かりやすく、そして美しく仕上げることはそう簡単ではない。そこで、文章を推敲する力をつけるために、『文章添削の教科書』(渡辺知明、芸術新聞社、2016)という本を手に取った。
 
本書の中で推奨されていることの一つが、「音読」だ。文章を推敲、添削するときに音読を取り入れると、まず正確に読むことができるようになる。こう聞くと「わざわざ声に出して読まなくても」と思ってしまうが、黙読の場合、案外無意識のうちに一部を読み飛ばしていたりする。自分の読書を思い出してみると、たしかに、ただ単に文字列を目で追っているだけで、気が付くと全く読んでいない(意味が頭に入ってきていない)ことがある。文章を推敲、添削しようとするなら、そんな読み方ではいけない。まず、正確に読むことができる読み方を実践すべきだ。それが音読なのだ。
 
それでは音読によって文章を正確に読んでいくことで何がわかるのか。それは5つあるという。
1) 誤字・脱字がわかる
2) 句点で文の長さがわかる
3) 読点で文の区切りがわかる
4) 語句と語句との関係がわかる
5) 文のリズムのよさがわかる
 
この5つが適当に直されるだけで、文章はずっと読みやすく、わかりやすくなる。
 
推敲や添削の質を上げるためにさらに付け加えるなら、意味の正確性の確認が挙げられる。そしてこの基本となることも、まず今書かれている文章のそのままを正確に理解し、それがどのような意味を成すのかをきちんとたどることだ。
 
音読は、文字を言葉にする。言葉になったとき、人は意味を理解する。文字がどのような言葉になっているかを確認するために、音読は効果的なのだ。
 
 

仕事の基本動作

仕事の基本動作を設定したい。ところが、念頭に置くことが違うと、基本動作とすることも異なってくる。たとえば、ミスをしないことを目的にするのか、ハイパフォーマンスを発揮することを目的にするのか。ミスをしない要件を満たすだけではハイパフォーマンスにはつながらないし、またハイパフォーマンスに焦点を当てればミスをしないということ以上に生産性を押し上げるための要素を含める必要がある。
 
そこでステップを立てて考えてみよう。真に目指すべきは、安定的に高いパフォーマンスを発揮し続けることだ。野球選手で言えば、イチローのような人だ。プレーでミスをしないこと、卓越したパフォーマンスができること、そしていつでも集中して全力でプレーができる状態を維持すること。これらを兼ね備えることだ。
 
それでは、このような3要素を自分の仕事の場面に置き換えて、それぞれについて基本動作を考えてみよう。まずは思いつくままに列挙してみる。
 
1) ミスをしないこと
・文章や資料などを作成したら、横着せずに全体感と細部の両方を確認すること
・メールや資料が整理整頓されていること(必要なものが明確で、不要なものは除かれていること)
・なすべきことが期限とともに明確であること
・記憶に頼らず、タイムリーにリマインドされるよう仕組み化されていること
・1ヶ月先を見据えたスケジュールができていること
・期限の前日には完成していること
・「だろう」ではなく「かもしれない」に立つこと
・検算をすること
・コミュニケーションをまたがないこと
・メールを不完了のままで残さないこと
 
2) 高い生産性を発揮すること
・集中してプランニングをすること
・関係者の考えや動きを洞察すること
・優先順位、劣後順位をつけ、取り組むことに集中すること
・知識や技術を真に修得していること
・関係者が的確に動いてくれるように効果的にコミュニケーションすること
・早くに全体を作り上げ、推敲を重ねること
・ボール回しを素早くすること
・たたき台完成までのスピードを高めること
 
3) 心身のコンディショニングができていること
・感情の整理ができていること
・ストレスをマネジメントできていること
・食生活が整っていること
・適度な運動習慣をもつこと
・身体のケアを習慣化していること
・定期検診を行っていること
・思考の整理ができていること
 
続いて、意識して取り組んでいくには、まず項目を絞りこむ必要がある。そして、「意識する」ことは、実際にできているかどうか自分で確認しづらい。意識した結果とるであろう行動レベルに落とし込みたい。要は、自分が身につけていけるような「動作」として絞り込んでいきたい。
最初から完璧な選び方をしようとしてはいけない。何が完璧かはやってみないとわからないし、状況によって変わると心得よう。それに、上記の項目以外にもやれた方がよいことなど山ほどあるだろう。
 
明日、これから1週間試してみる基本動作を選択することにしよう。

評価より評判

10月は上期の人事考課の時期だ。4月に立てた目標に対して実績がどうであったかを確認する。とは言え、客観的な考課を可能にするために、目標立案の時点である程度定量的かつ客観的に評価できるようにしている。
 
一見すると合理的なように感じられる。しかし、その目標が硬直的なものであった場合、対象となる期間中に状況が異なってきた場合は、同じ目標を追求することが現実的ではなくなったり、妥当性を欠いてくることもある。それにも関わらず組織のルール上見直しができず、また立てた目標を達成できなかった理由や、その代わりに成果を挙げたものを評価できるようになっていなければ、本人が尽力して対応してきたことが当初の目標設定に含まれていないというだけで評価対象にならなくなってしまう。それでは報われない。したがって設定した目標は、状況に応じて相当な理由がある場合は柔軟に見直され再設定されるべきである。
 
目的は客観的に評価することではない。評価を通して人が成長し、組織に貢献し、組織が強くなること、業績が上がること、事業の価値を向上させることである。
 
もし目標および評価方法が硬直的であるとすれば、状況が変わっているにも関わらず個人の評価の最大化のために全体最適をないがしろにしてしまいかねない。そのようにミスリードしてしまう制度は間違いだ。制度は組織としての全体最適を実現するように設定され、見直され続けなければならない。
 
また個人においては、あくまで僕の個人的な考えだが、評価よりも評判が重要である。評価はそのときの自身が受け取れる賞与や、昇格の材料として重要である。しかし、組織内において頼りになるのは誰か、重要な仕事を回すのは誰か、そして重要なポストを任せられるのは誰かを考えたとき、選ばれるのは評判の良い人物だろう。いくら人事考課が良くとも、周囲からの信頼が高くなければ重要ポストは任せられない。それよりも、評判の高い人が多少考課が低くとも周りの人は不利な事情があったのだろうと察することができるし、それよりも信頼できることが重要であり、頼りにすることに変わりはない。
 
組織内でサラリーマンとして昇格、出世だけを見れば考課が重要だが、ある程度独立した個人として仕事を頼まれる人になろうと思えば、考課などより絶対的に評判や信頼が重要である。

長時間労働と組織の生産性

政府主導で日本の長時間労働という慣行に対する規制強化が取り組まれている。他の国と比べて日本人の残業時間が多いことを引き合いに、規制が必要だと言われる。

よく目にするのは、特に必要がないのに周りの人もまだ残っているからダラダラと仕事を続けてしまう、というものだ。
そういうケースも多々あるのだろう。しかし、それだけが理由ではない。少なくとも僕自身や、同じ部署の人は、できる限り早く切り上げたいと思っているが、部署の人数に対して仕事の絶対量が多く、さらに役員へのレポートが必要なことが多く、突発的に生じてかつ優先度を上げざるを得ない仕事も多い。かなりuncontrolableな状態だ。

また報道でよく目にすることとして、他の国と比較して日本人は生産性が低いという意見がある。そしてそれはメリハリがなくダラダラと仕事を続けがちな残業の慣行が原因とも言われる。
僕はこれにはいまいち納得感がない。正しい面もあるのかもしれないが、もう少し踏み込んだ分析が必要だろう。

日本人の個々人が他の国の人に比べて仕事のパフォーマンスが低い、能力が劣っているということではないだろう。決まったルールをある程度しっかりと守り遂行する面では、他の国と比較しても優れているのではないか。

 

僕の考えは、日本人の生産性が低いというのは、単純に個人の生産性、仕事の能力が低いというのではなく、日本人組織の生産性ではないだろうか。あるいは、組織の中に置かれたときの個人のアウトプットが少ないのではないだろうか。

 

ポイントは二つ。組織の文化や構造の問題と、組織の中での個人の振る舞いの問題だ。

 

一つ目の組織の問題として、まず文化的な背景があるだろう。周りとの調和を教育されてきた民族にとって、反対が出ないようにすること、波風を立てないことにかなり縛られる傾向がある。またロジカルに意見の中身を問うより、誰の意見かが強い影響力を持ってしまうきらいもある。
これは文化的にある種美しさを見せることもあれば、もっと効率的に、合理的に物事を正していくべきときに障害になったりもする。こうした文化を反映した組織の制度、例えば年功序列が生じ、そのためもあって労働流動性の低さにつながっていたりもするように見える。

 

二つ目は組織における個人の問題だ。一つ目のポイントとも通じるが、やはり文化的な背景があり、集団の中にあっては自己主張をそれほど活発に、また強くすることは少なく、周りに同調しがちな面がある。今までの慣例がこうだからという理由で、もっと合理的に変えていけるにも関わらず変わらないということが多いだろう。いい考えが浮かんだとしても、それを人に話し、巻き込み、実行していこうとできる人は少ない。また、そんな人が現れたとき、失敗のリスクはあっても成功する可能性を見てその挑戦を応援しようという雰囲気もあまりない。何か違和感を感じたとしても、そこで声を上げて自らリスクと責任を負ってリーダーシップをとっていくことはせず、大人しく周りに同調しておく方が居心地が良いのだ。声を上げるのは居酒屋で愚痴を言うくらいになってしまう。

 

そのままではいけない。組織風土を変えることも含めて、生産性の向上にコミットし、自ら責任を持って声を上げられる、提案しリーダーシップを発揮していけるような人が必要だ。失敗することもある。それを恐れてはいけない。自分の考えで、組織の最終的なパフォーマンスの向上にコミットし、そのためにはやり方を変える方が合理的であると主張し、周りを納得させ、また期待させ、変化への動きを大きくしていけるような力が必要だ。

残業規制に政府が取り組むのとは別に、企業はじめ各組織において本質的に生産性を向上させるために合理的に考え、組織を変えていくことにコミットしていかなければいけない。

生産性を5%高める

仕事の生産性を高めるために、何ができるだろうか。今日の仕事であと5%生産性を高めるためには、何をできただろうか。

 

そこで今日の自分の生産性を下げていた要因を考えてみよう。


・タスクリストにおいて、優先順位が不明確だった。
・それぞれ何時までに完了させるかが不明確だった。
・完了状態についてのコンセンサスが取れていなかった。(やるべきことの範囲を理解していなかった。)
・ベストな状況を待って、結果機を逸してしまった。タイムリーに次善策に変更しなかった。
・作業に必要となるデータ、資料一式を整理して揃えるようにしなかった。
・朝からメンタル的にエンジンがかかっていなかった。
・あまり人間関係のない人とのコミュニケーションに億劫になった。

 

ざっと以上のことが挙げられる。
書き出してみると、一つ一つはちょっとした準備や意識で変えられる。これらを全て改善すれば、生産性は5%以上に高まったかもしれない。

 

まだまだ成長できる。仕事力を高められる。
日々振り返りをしながら、改善を重ねていこう。

相手の状況に配慮した手配

仕事を行ううえで、他者との協力は欠かせない。
当たり前のことだ。しかし、その協力の求め方についての意識は乏しいかもしれない。

まず基本姿勢として、相手に無理を強いずに協力してもらえるよう配慮することだ。そのために早めに相手のスケジュールを確認するなどして状況把握に努め、相手が「この辺りだったら大丈夫」と言えるように、選択肢を残しておくことが望ましい。

とは言っても、現実には急を要する事態が必ず発生する。そこで相手に「頑張って何とかしよう」と思ってもらえるかどうかは、その相手との関係が重要になる。

◯◯さんの頼みなら仕方ない、そう言ってもらえる人間関係資本、信頼残高の形成に日々努めよう。