Write to think

- ある題材について書くことは,それについて知る最良の手段である - (Gerald M. Weinberg)

仕事の基本動作

仕事の基本動作を設定したい。ところが、念頭に置くことが違うと、基本動作とすることも異なってくる。たとえば、ミスをしないことを目的にするのか、ハイパフォーマンスを発揮することを目的にするのか。ミスをしない要件を満たすだけではハイパフォーマンスにはつながらないし、またハイパフォーマンスに焦点を当てればミスをしないということ以上に生産性を押し上げるための要素を含める必要がある。
 
そこでステップを立てて考えてみよう。真に目指すべきは、安定的に高いパフォーマンスを発揮し続けることだ。野球選手で言えば、イチローのような人だ。プレーでミスをしないこと、卓越したパフォーマンスができること、そしていつでも集中して全力でプレーができる状態を維持すること。これらを兼ね備えることだ。
 
それでは、このような3要素を自分の仕事の場面に置き換えて、それぞれについて基本動作を考えてみよう。まずは思いつくままに列挙してみる。
 
1) ミスをしないこと
・文章や資料などを作成したら、横着せずに全体感と細部の両方を確認すること
・メールや資料が整理整頓されていること(必要なものが明確で、不要なものは除かれていること)
・なすべきことが期限とともに明確であること
・記憶に頼らず、タイムリーにリマインドされるよう仕組み化されていること
・1ヶ月先を見据えたスケジュールができていること
・期限の前日には完成していること
・「だろう」ではなく「かもしれない」に立つこと
・検算をすること
・コミュニケーションをまたがないこと
・メールを不完了のままで残さないこと
 
2) 高い生産性を発揮すること
・集中してプランニングをすること
・関係者の考えや動きを洞察すること
・優先順位、劣後順位をつけ、取り組むことに集中すること
・知識や技術を真に修得していること
・関係者が的確に動いてくれるように効果的にコミュニケーションすること
・早くに全体を作り上げ、推敲を重ねること
・ボール回しを素早くすること
・たたき台完成までのスピードを高めること
 
3) 心身のコンディショニングができていること
・感情の整理ができていること
・ストレスをマネジメントできていること
・食生活が整っていること
・適度な運動習慣をもつこと
・身体のケアを習慣化していること
・定期検診を行っていること
・思考の整理ができていること
 
続いて、意識して取り組んでいくには、まず項目を絞りこむ必要がある。そして、「意識する」ことは、実際にできているかどうか自分で確認しづらい。意識した結果とるであろう行動レベルに落とし込みたい。要は、自分が身につけていけるような「動作」として絞り込んでいきたい。
最初から完璧な選び方をしようとしてはいけない。何が完璧かはやってみないとわからないし、状況によって変わると心得よう。それに、上記の項目以外にもやれた方がよいことなど山ほどあるだろう。
 
明日、これから1週間試してみる基本動作を選択することにしよう。